PHR活用チャット支援で高齢者の認知機能維持に向けた行動継続率86%                  WizWe、認知機能サポートLINE「メモリンク」実証結果を発表  介護予防モデルの有効性を確認

 株式会社WizWeは、NTTドコモビジネス株式会社と共同で、経済産業省が実施する令和6年度補正「予防・健康づくり分野における先端技術を活用した社会課題解決サービス開発促進事業(先端技術を活用した介護予防等に資するPHRサービス開発・社会実装に向けた調査実証事業)」において、高齢者の認知機能の維持と健康的な生活習慣づくりをサポートする、認知機能​サポートLINE​『メモリンク(MemoLink)』(以下 本実証)の実証を行いました。

 本実証により、PHRデータを活用した個別最適化チャットサポートが、高齢者の認知機能維持に向けた予防行動の継続(継続率86%)および自己効力感向上に有効であることを確認しました。

1.本実証の背景 
 近年、民間事業者によって、健康診断結果をはじめとする体重、血圧、血糖値等の情報や、ウェアラブルデバイスやセンサー機器等で取得される食事、運動、睡眠等の情報といったPHRデータを用いた多種多様なサービスが提供されています。少子高齢化・人口減少が進む日本において、こうしたデータを活用した予防・健康づくりの重要性は高まっており、健康寿命の延伸や未病対策の観点からも注目されています。

 政府全体としても医療DXの推進が進められており、PHRの利活用は医療・介護領域における重要なテーマとなっています。また、要支援・要介護認定件数は年々増加しており、介護保険費用の増大や、仕事と介護の両立による生産性低下などの課題が指摘されています。

 こうした背景を踏まえ、PHRデータを活用したチャットサポートにより、高齢者の認知機能維持や予防行動の継続にどのような効果があるかを検証する実証を実施しました。

2.本実証の概要
 本実証では、高齢者の認知機能の維持と健康的な生活習慣づくりをサポートする、LINEを活用した健康支援サービスを実施しました。NTTドコモビジネスが提供する「けんこうマイレージ」に記録された歩数や睡眠データ、フレイルスコアをもとに、専任の習慣化サポーターが個々の状態に寄り添った励ましのメッセージや、脳の健康維持に役立つ情報をLINEで配信しました。これらのやり取りは蓄積され、実証参加施設とも共有されることで、日々のデジタルサポートと施設でのケアが連携し、より効果的な認知機能維持・介護予防につながる可能性を検証しました。

 高齢者にも広く浸透しているLINEを活用したコミュニケーションにより、利用者にとってシームレスにデジタル介入を実現できる点が特長です。さらに、スマートフォンを持ち歩くだけで生活習慣データを収集し、個々の状態に応じた改善のためのアドバイスを提供できる仕組みを構築しました。

 本実証では、PHRデータと連携した双方向サポートにより、高齢者の認知機能維持や介護予防行動の継続を促し、認知症発症リスク低減や重症化予防の効果を医学的に検証しました。得られた成果は、介護予防の推進や介護現場における負担軽減に資するものと考えられます。

【対象】
3つのフィールド(会員制自費サポートサービス、医療機関、介護事業所)において、22名の高齢者が実証に参加
■ メモリークリニックお茶の水
・施設属性:医療機関(認知症専門)
・参加者属性:軽度の物忘れ症状がある高齢者
・参加者数:8名

■ 北原トータルライフサポート倶楽部
・施設属性:会員制自費サポートサービス
・参加者属性:アクティブに社会参加を行う高齢者
・参加者数:13名

■ いろどりの丘
・施設属性:介護事業所(小規模多機能型居宅介護)
・参加者属性:介護施設に入居している高齢者
・参加者数:1名

【目的】
・認知機能維持、介護予防行動(運動・睡眠)の継続

【主な取り組み】
・習慣化支援アプリ上で認知機能維持に向けた活動を記録(歩数・睡眠時間)
・フレイルスコアの判定
・専任の習慣化サポーターによる日常に寄り添うメッセージサポート
・AI朝田先生との対話(認知症予防の相談機能)

【役割】
<WizWe>

NTTドコモビジネス提供のPHRデータを活用した、LINEによる個人の運動状況・健康状態に応じたチャットサポートの設計・運用
<NTTドコモビジネス>
「けんこうマイレージ」に記録された歩数や睡眠データ、フレイルスコアなどのPHRデータを提供

<本実証イメージ>

3.実証結果
① 行動継続の有効性を確認
PHRデータを活用したチャットサポートが、予防行動の習慣化を後押しすることが確認されました。
・認知症予防活動記録率 睡眠・歩数(週3日以上):86%
・継続率(週3日以上):86%

・通院・カウンセリング頻度(月2回以上):100%(全員が週2回通院継続)

② 心理的効果(自己効力感)の向上
チャットによる伴走支援が、「自分は続けられる」という感覚の醸成につながりました。
・自己効力感(10段階):平均7点(目標6点超)
・健康意識(5段階):4点

③再参加意向・有料受容性100%
継続ニーズおよびビジネス成立可能性の高さが示唆されました。
・再参加意向:100%
・有料受容性:100%

・想定受容価格帯:月額500~1,000円

④ ケア現場での体験価値向上
フィールド職員からは「ケア日以外の様子が把握でき、サービスプラン検討のヒントになった」との声があり、デジタルを活用した状態把握の有効性が確認されました。

4.今後の展開
 本実証を踏まえ、高齢者向けクラブ、保険会社、自治体、通信事業者などとの連携によるサービス展開を検討しています。特に、高齢者クラブとの連携モデルでは、10,000名規模での導入を想定した事業性の試算を行っており、黒字化の見込みを確認しています。

 今後は、本実証で得られた知見をもとに、認知機能維持や介護予防を支援するサービスとして社会実装をめざしてまいります。

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